新年1冊目の本
新年から2冊続けて良い本に出会った。


2冊目は先日紹介した「万寿子さんの庭」
http://kajikawa.exblog.jp/19567725/


今回は1冊目の本、
梨木香歩さんの「家守綺譚」
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良い本と一括りに言いましたが、読了感の全く異なる2冊。
前述の「万寿子さん~」の方は貪るように一気に読み終えて、
「良かった!おかわり!!!」という感じ。
一方の「家守~」は、一気に読み終えるのが勿体ない、
じっくりじっくり・・一つの言葉も無駄にしたくないような・・そんな本。


映画化された「西の魔女が死んだ」もそうだけど、
梨木香歩さんの言葉が紡ぎだす庭の風景の心地よさ!
美しい言葉で、ひとつひとつの物に注がれた
密やかながら芯の通った命の温かさ。
ずっと留まっていたいような・・・。


今回の作品は古き良き日本の風景が舞台。


綿貫征四郎は、縁あって今は亡き学友、高堂の実家の家守をしながら
文筆活動に勤しんでいる。
「庭の手入れはご随意に」という高堂の父の言葉に甘えて、
庭は草木の自主性に任せることにしている。
結果、庭は周囲の壮大な自然とも相まって、
様々な草木の息吹にあふれ、
引き寄せられるように様々なものが現れるようになる。
鶏、獣、仔竜、桜鬼、河童、人魚・・・。
亡くなった筈の高堂までもが掛け軸の中から現れる始末。
そして、庭の来訪者を取り仕切る飼い犬のゴロー。
彼らと綿貫の交流を描いたお話。


???


不思議なお話なのだ。
この世のものと、あの世のもの。
様々な生き物に宿る精霊たち。
折に触れて感じることの無くなってしまった者達。
懐かしさを感じるのはそういう背景から?


昔は確かに有ったのだ。
何かしらの “気” を感じながら暮らしていたように思うのだ。


小学校3年生まで私が暮らした家は、それこそオンボロ家。
“気” を感じた、そもそもの理由はオンボロだからなのか?

ココロが美しかったから?

感受性豊か?だったから?


家のあちこちに、“気” を感じるスポットがありました。
うまく説明できないけれど・・・でも気になる・・・そんな場所が。


座敷の隅の薄暗い空間。
どこか違う世界に繋がっていそうな真っ暗な押入れの奥
時折擦れたような音がした天井裏(実は蛇が棲んでいた)
長い土間
雨が降り出すと家中がギシギシ軋んで・・・。
庭の竹藪の奥の暗がり
シイタケの菌床の木のトンネル
昔の道具で溢れていた隣のおばあちゃんの納屋


そこで、何を見た訳でもないけれど、何かを連想せずにはいられない。
何か居る?・・居るんじゃないかな?・・・居たらどうする?
そういう空間が家の中にも、外にも有ったのだ。


この本で、そんな子供の頃を思い出した方も多いのでは?



今、私が暮らす家。
私の家に限らず、最近の家は快適に暮らす工夫が随所になされ、
過ごしやすい。
だけど・・・それと引き換えに無くしてしまったものが多いことを
改めて痛感。


だからこそ、ゆっくりと、この世界に浸りたかったのかも・・・。


物語の流れは穏やかそのもので、起伏が少ないため、
好き嫌いが分かれるかもしれません。





今も、雨が降ると思い出すのは、
あのギシギシ木の軋む音。
夜、雨が降り出し、ギシギシ音が始まると、
当時枕を並べていた兄が必ずこう言った。
「ヤツが来た・・・!」
それを聞いて、震え上がったものです。
見たことも無い「ヤツ」の存在に。


果たして、兄は憶えているだろうか?
私を怖がらせるため言ったのか、
兄自身も、「ヤツ」の存在を信じて言ったのか?


全ては謎のまま・・・。





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by kaji-kawa | 2013-01-31 19:26 | 梶川塗装
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